作品紹介
フルカラー・デジタル時計の製作(4)
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フルカラー・デジタル置き時計の製作、続きです。
14.ケースの製作

 ケースは基板取り付け板と上下ケースで構成されています。
 取り付け板は、1mm厚のアルミ板をL字型に曲げて作り、両側のΦ3.2mmの穴を使って、M3×5mm皿ビスとM3ナットでケースに固定します。
 下記に、基板取り付け板、下ケース、上ケースの寸法図を示します。

 ・基板取り付け板の寸法図

 ・上ケースの寸法図

 ・下ケースの寸法図

 下ケースは、黒色とグレースモークの2種類の2mm厚アクリル板で、下図のようにアクリル用接着剤で組み立てます。
下ケースの組み立て説明図
 上ケースは1mm厚のアルミ板で作ります。ただ、取り付け板もこの上ケースも三方曲げとなるので、1mm厚といっても容易には曲げられません。筆者は対応できる曲げ工具を持っていないので、2面を板金折り曲げ器で、1面を木材と金づちで叩いて曲げました。
 上ケースの後面角の合わせ部分は、2液混合式のエポキシ系接着剤で接着します。接着剤が硬化した後に、表面にはみ出した接着剤をやすりで削ってから紙やすりで磨き、全体を黒色ラッカースプレーで塗装して仕上げます。

15.表示型の製作

 LEDの光を7セグメントの"日"の形に見えるようにする部品を、ここでは「表示型」と呼ぶことにします。
 表示型の寸法は、表示基板と同じなので参照してください。ただし、表示型の固定穴は上下2か所の計4か所としたので、その他の固定穴はビスの頭を逃がすためΦ6mm程度にします。
手作り7セグ(表示型)の作成1
 左が画用紙で作った表示型です。ベースになっている部分は画用紙を2枚張り合わせたもので、セグメントを形成するフチの部分は、幅9mmの画用紙で壁を作るように木工用ボンドで接着して作りました。
手作り7セグ(表示型)の作成2
できた表示型は、光が漏れないようにセグメントの周りの部分を黒の水性ラッカーで塗装します。
左写真は、塗装した表示型を表示基板に黒ビスで取り付けたところです。
手作り7セグ(表示型)にマスク紙貼り付け
 次に、表示型の前面にマスク紙を貼ります。マスク紙は、モード表示部分に文字を浮かび上がらせるためと、LEDの光を拡散してセグメントの形をはっきりさせるためのもので、白のコピー用紙にプリンタで印刷して作ります。
左写真は、基板を取り付けてからマスク紙を貼ったものですが、取り付ける前に貼ってもかまいません。
 マスク紙のフォトトランジスタの部分は必ず穴をあけてください。穴が開いていないと明るさを測定できません。

★☆★☆★ 表示基板の組み立て解説 ★☆★☆★
面実装のカラーLED WS2813を手はんだで付ける方法、7セグメント表示を手作りする方法を下記にまとめてあります。興味のある人はご覧ください。

専用表示基板を使った7セグメント表示器の作り方


16.組み立て

製作したキートップの写真
 まずキートップですが、左の写真にあるように5個のキートップが1枚のくし形シートに付いた構造をしています。寸法は下図に示します。
 シートは、0.5mm厚のペットエースという樹脂製のもので、キートップを固定するとともにスプリングの役目もあります。このシートは手持ちにあったものなので、弾力があって接着できるものなら他の材料でもかまいません。
 各キートップは、2mm厚の白色アクリル板を10mm角と5mm角にカットしたものです。10mm角の方は表に出るので、表面側の角を少し落としておきます。くし形シートに接着したものを、下図にあるように上ケースの内側から接着します。
キートップの寸法図
キートップを上ケースに貼り付けた写真
左の写真は、キートップを実際に取り付けたところ、赤枠で示す部分が接着部分です。
 下図は下ケースに基板を取り付けた状態を示しています。コンパクトにするために余裕が少なく、組みやすいとは言えません。
ケースへの制御基板取り付け説明図
次の写真は、下ケースに組み込んで基板間をケーブルで接続した状態です。写真では電線が編んでありますが、必ずしも編む必要はありません。
下ケースに表示基板と制御基板を組み込んだ写真
 圧電スピーカーは、ケースに取り付け穴を開けたくなかったので、上ケースの内側に強力両面テープで貼り付けただけで済ませました。次の写真は、圧電スピーカーやDCジャックを取り付けた上ケースの内側の状態です。
上ケースの内側の様子

 操作キーの部分に貼る文字シールは下図のようなものです。これは、インクジェットプリンタで印刷して貼り付けできる白い樹脂フィルムで、印刷してから図のようにカットして貼りました。このシールは、印刷がとれないように、表面に保護スプレーをかけるか透明フィルムを貼っておきます。
操作キーの文字シールの寸法図
 上ケースの固定は、M3×6mmの黒色バインドビスです。最後に、下ケースの底面に粘着式のゴム足を貼って完成です。 
完成したフルカラー・デジタル時計の正面写真

17.マイコンプログラム

 もし、このフルカラー・デジタル時計を製作したいという人がいれば、希望する人にプログラムファイル(ロードモジュール"○○○.mot"のみ)を無料で差し上げます。こちら からメールで問い合わせてください。
ただし、プログラムファイル提供は、予告なく終了させていただくことがあります。
注意:このプログラムを使用して、何か問題や不利益が生じることがあったとしても一切関知しません。

 プログラムをマイコンRX220に書き込むには、次のどちらかの方法でパソコンから書き込みます。
 ・E1エミュレータで書き込む
 ・シリアルポートから書き込む
 筆者は、Renesas Flash Programmerという書き込みソフトを使いました。このソフトは、ルネサスエレクトロニクスのホームページから無償版がダウンロードできます。
 E1エミュレータで書き込む場合は「シングルチップモード」でかまいませんが、シリアルポートから書き込む場合は、RX220マイコンボードを「ブートモード」で起動する必要があります。秋月電子通商のRX220マイコンボードは、ボード上のディップスイッチ(SW1,SW2)を両方ONにして起動するとブートモードになります。また、シリアルポートから書き込む場合は、別途シリアルケーブルが必要です。

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■■■ 注 意 ■■■
1.ここに掲載された内容(写真,図,表などを含む)の、全てまたは一部を無断で使用しないでください。
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3.ここで紹介したプログラム例は、正常なコンパイルおよび正常な動作を保証するものではありません。