このデジタル時計の主な特徴は次のような点です。
- フルカラー対応のLED使用で、表示を好みの色に設定可能。
- 周囲の明るさによって、表示の明るさを自動的に調節。
- アラーム機能で、設定した時刻(時:分)に警報発音やイルミネーション表示が可能。
- タイマー機能で、設定した時間(分:秒)後に警報発音やイルミネーション表示が可能。
- アラームおよびタイマー機能での警報には、単純な警報音(ピピピピ)のほかメロディー3曲を選択可能。
- アラームおよびタイマー機能でのイルミネーション表示には、4種類の表示パターンから選択可能。
- 7セグメント表示器は画用紙を使った手作り。文字高約40mmの大型表示。
- ケースは、下の部分をアクリル板で、上の部分をアルミ板で製作。
- 電源には外部のACアダプタを使うため、本体がシンプル。
- ルネサスエレクトロニクスの32ビットマイコンRX220を使って全体を制御。
次の写真が製作したデジタル時計です。
ケースはアクリル板とアルミ板を使った手作りで、スッキリとした見た目とコンパクトにすることにこだわりました。
3.使い方
このデジタル時計は、ACアダプタを接続して電源DC5Vを入力するだけで起動します。
起動すると、まず数秒間の起動表示があります。それは、次の写真のように全セグメントが1つずつランダムにカラー表示をして、次に全セグメントを白色表示するというものです。もしLEDに不具合があれば、この白色表示の時に発見することができます。起動表示が終わると通常の時刻表示になります。
時刻表示は、設定により12時間制と24時間制を切り換えられます。12時間制とした場合、24時間制での12時が午後0時となります。
操作は、次の写真に示す上部の5つの押しボタンスイッチで行います。各スイッチの機能は表1に示す通りです。表2は操作の概要とオプション設定をまとめたものです。
表1.各キーの機能
表2.操作方法の概要
設定内容は、それぞれの項目を表示中にSETキーを長押しすることで変更できます。設定変更中は入力部分が点滅するので、▲▼キーで目的の値を入力します。
次にSETキーを短く押すと次の入力部分が点滅しますが、次の入力がない場合は変更を終了します。設定変更中にMODEキーを押すと、設定変更を中止し、入力した値は無効になります。
現在時刻は時→分の順に設定し、分をセットした時点で秒が0になって時計が動き出します。
表示色は、「モード表示部分(左側に配置の5個)」,「7セグメント部分(小数点含む)」,「現在時刻表示のコロン」の各部分ごとに、オプション設定で変えることができます。
モード表示部分は、オプション設定の項目cで設定しますが、任意の色には変えられず、表3にある4種類の組み合わせから選びます。
7セグメント部分の色は、オプション設定の項目8でHSV形式により任意の色に設定できます。さらに現在日時の表示は、そのほかの表示と別の色にすることができます。オプション設定項目2で"on"を設定すると、午前中は項目9で設定した色、午後は項目Aで設定した色になります。
コロンの色は、現在時刻表示のときのコロンの色を設定できます。コロンの色も7セグメント部分の色も、HSV形式で任意の色が指定可能です。
表示の明るさは、周囲の明るさによって自動的に変わります。周囲の明るさは、オプション設定の項目Fで見ることができます。ただ、この明るさの数値は制御用の値で、0~100%となるよう加工してあります。
表示の明るさは手動で変えることもできます。具体的には、HSV形式で設定した色から得た明るさ×(周囲の明るさ+オプション設定の項目7の値)で決めています。ただし、(周囲の明るさ+オプション設定の項目7の値)は5~100%に制限されます。
表3.モード表示部の設定コード
注意:日付または年を設定すると、時刻も同時に再設定されてしまうため、時刻に遅れが生じることがあります。
5.HSV形式で設定とは
HSV形式というのは、色を色相(Hue angle:0~360)、濃度(Saturation:0~100)、強度(Value:0~100)という3つの要素で表現するものです(強度Vは明るさと思っても問題ありません)。
実際設定する場合、何色はどんな数値にしたらいいのか直感的にわからないし説明もしにくいので、色の設定ではHSVそれぞれの数値表示とともに表示色が変わるようにして、見ながら設定できるようになっています。
ただ表示の問題で、HSV全ての数値を同時に見ながら設定することはできないため、H・S・Vを個々に設定します。なお、7セグメントでは"V"は表示できないので、次の写真のように"U"で代用して表示します。この表示の後に、H・S・Vを個々に設定する表示になります。
強度Vの設定では、見えなくなるのを防ぐため設定範囲を15~100に制限しています。
6.警報音とイルミネーション表示
特徴のところで示したように、アラームおよびタイマー機能では、警報音を鳴らしたりイルミネーションを表示したりできます。
警報音といっても、基本は矩形波で圧電スピーカーを駆動するビープ音です。しかし、ピピピピという一般的な音だけでなく、簡単なメロディー(メリーさんの羊,ロンドン橋、草競馬)を鳴らせることが特徴です。
メロディーは、ビープの周波数と時間を制御して音階を作って実現しています。矩形波の濁った音ですし音量も変えられませんが、聞けば誰にでもわかる程度にはなっています。
イルミネーション表示は、7セグメント表示部分(モード表示部分は含まれません)を使って行うもので、次の4種類から選択できます。
- 個々のセグメントが異なる色で、桁ごとに右および左回転します。
- 全桁が同時に点滅し、点滅のたびに色が変わります。
- 全桁が桁ごとに異なる色で、色を変えながら順次右にシフトします。
- 全桁の各セグメントが、ランダムに色が変わります。