作品紹介
音声時計の製作(2)
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音声時計の製作(フルカラー・デジタル時計の機能アップ)続きです。
6.操作方法

 操作方法は、元の「フルカラー・デジタル時計」と同じですが、機能追加などにより追加された部分もあるので、下記にキー操作と設定内容の一覧表を示します。追加・変更になった機能は以降で詳しく説明します。
注:発声の説明にある YY,MM,DD,hh,mm は、それぞれ対応の数字(年,月,日,時,分)を読み上げます。WWは曜日名を読み上げます。(以降同じ)
表1.各キーの機能
操作キーとそのラベルの状態
キーの機能を説明する表

表2.操作方法の概要
操作方法の概要

表3.オプション設定の一覧
オプション設定の一覧

7.追加・変更された機能

(1)時報機能追加
 設定により、毎正時(00分)にビープ音かチャイム音、または“hh時です”という音声を鳴らすことができます。

(2)アラーム2機能追加
 「月,日,時,分」を指定できるアラーム2機能を追加しました。「月」および「日」は、’00’を設定すると常に一致とみなすので、例えば「00月15日 8時00分」を設定すると、毎月15日の8時00分に警報音を鳴らし、またイルミネーション表示を行うことができます。
 アラーム2の追加に伴って、下図に示すように、モード表示部にあったOPTIONという表示を、アラーム2が有効であることを示すALARM2に変更しました。 
モード表示の変更説明
(3)警報音を追加
 アラーム,タイマーの作動時に発する警報音に、メロディを1つとチャイム音を2つ、数種の音声を追加しました。
 追加したメロディは1曲で、「草競馬」です。チャイムは音声合成ICの機能を使ったもので、「チャイム音J」(ポ~ンという音)と「チャイム音K」(ピ~ンという音)の2種類があります。
 音声は、日時関連が4種、定型句が10種、ユーザー定義のもの(EEPROM内に保存されたもの)が5種あります。詳細は、下表をご覧ください。ユーザー定義の音声については、後ほど説明します。 
表4.使用できる警報音(ビープ,メロディ,音声)の一覧
使用できる警告音の一覧
(4)イルミネーションを追加
 アラーム,タイマー,アラーム2の作動時に表示するイルミネーション表示に、「ランダム色」を追加しました。
 「ランダム色」は、モード表示部を除く全桁のセグメントがランダムに次々と色が変わる表示です。

(5)警報音およびイルミネーション表示に時間設定を追加
 警報音およびイルミネーション表示は、これまでは何かキーを押すまで繰り返していましたが、設定した時間(1~99分間)で自動終了するようにしました。なお、0分を設定すると、これまでのように何かキーを押すまで繰り返します。

(6)現在時刻/日付お知らせ機能を追加
 現在時刻表示中に、▲キーを押すと“hh時mm分です”と発声し、▼キーを押すと“MM月DD日です”と発声します。なお、12時間制表示のときは、時刻の始めに“午前/午後”が付きます。
 現在日付または現在年を表示中に、▲キーを押すと“20YY年MM月DD日です”と発声し、▼キーを押すと“WW曜日です”と発声します。

(7)起動時の挨拶機能を追加
 設定により、このデジタル時計の電源をONしたとき、“おはようございます…”などと挨拶をします。ただし、内容は時刻により若干変わります。

(8)表示の明るさ調整を変更
 表示の明るさは、表示基板にあるフォトトランジスタで測定した周囲の明るさ(0~100)で決まります。
 その微調整のために、従来はオプション7に設定された調整値(-99~99)を前記の明るさに加算し、その結果を表示の明るさとしていました。
 この音声時計では、下記に示す式によって明るさを調整するように変更しました。

  表示の明るさ = 周囲の明るさ ×(100% + 設定された調整値)

 ただし、表示の明るさは5~100の範囲に制限されます。オプション7に設定された調整値の初期状態は0です。

(9)遅れ/進み調整機能を追加
 RTC(RX-8025)の時計精度調整機能※2を使って、時計の遅れ/進みを調整します。
 このデジタルクロックでは、次の2点の調整機能があります。
 1つ目は、RX-8025のデータシートに従い※3、+25℃を中心に、温度により生じる遅れを補正します。ただし、およそ25±9℃の範囲では「ずれ量」が少ないので、補正の対象にはなりません。この機能は常に動作しており、設定等によりON/OFFできません。
 2つ目は、設定により強制的に遅れ/進みを調整します。RX-8025は、出荷時から最大5ppm(=5×10-6,約13秒/月)の誤差があるので、それを矯正するのが目的です。
 調整値は-64(遅らせる)~+63(進める)の範囲で設定できますが、その単位は3.05ppm(±0.26秒/日,±7.9秒/月に相当)であり、月差±7.9秒に満たない微調整は困難です※4
 RX-8025に与える実際の調整データは、前記の「温度から得られた調整値」+「設定による調整値」です。
 初期状態では設定による調整値は0になっており、温度だけで調整されます。
【参考】
実際に、例えば遅らせるために調整値として-1を設定してみると、期待よりかなり遅れてしまいました。今のところ原因は不明です。
そこで、調整値を終日有効するのではなく一定時間のみ有効になるようにし、その他の時間は調整値を0に戻しておくようにしてみました。
具体的には、下記リストに示すように1時間のうち1/10の時間、つまりXX時00分~XX時05分の間だけ調整値を設定し、その他は0に戻しておくようにしました。これで、調整量は終日行う場合の1/10になるはずです。
その結果、まだ春~冬の1年未満ではありますが、なかなか良好な動作をしております。 ただ、今後の動作を見て、さらに調整量を小さくすべきか検討は必要かと思います。
 ※2.RX-8025の時計精度調整機能について、詳細はRX-8025のアプリケーションマニュアル(セイコーエプソン)をご覧ください。
 ※3.個々に特性のばらつきもあると思いますが、測定ができないのでデータシートにある特性を元にしました。
 ※4.ある時間内で調整する/調整しないを切り換えれば、調整している割合によって微調整が可能です。上記の【参考】をご覧ください。

(10)ユーザー定義の発声データ作成支援機能を追加
 RS-232ケーブルでパソコンと接続し、パソコンのターミナルソフトを使ってコマンドを与えることで、音声の発声試験をしたり、そのテキストをユーザー定義音声データとしてEEPROMに保存したりできます。詳細は以降で説明します。

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