作品紹介
RXマイコンを使ったLCDユニットの製作(3)
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RX621マイコンボードを使ったLCDユニットの製作、続きです。
4.LCDC評価ボードの使い方

4-1.LCDC評価ボード(S5U13781R00C100)
LCDC評価ボードの外観
LCDC評価ボードは、左の写真のようにLCDコントローラ部分とLCDパネル接続部分を分離できる、割り基板になっています。ただし、このLCDユニットでは分離しないで使用しています。
LCDパネル接続部分は、LCDパネルを接続するFPCコネクタ(J8)を2.54mmピッチのコネクタ(J9)に変換する基板で、その基板間、つまりJ5とJ9の間は使用するLCDパネルに応じて、ユーザーが接続するようになっています。
4-2.LCDC評価ボードの設定

(1)マイコンとバス接続する設定
ジャンパJ2
LCDC評価ボードは、SPIを含めいくつかのホストインタフェースを 持っています。本LCDユニットでは、その中の「ダイレクト16ビットモード1」を使用して、マイコンの外部バスに接続します。具体的な接続方法は回路図を見てください。
ホストインタフェースを「ダイレクト16ビットモード1」にするには、左の写真のようにLCDC評価ボードのJ2の1-2(CNF0),3-4(CNF1),5-6(CNF2)をそれぞれショートする必要があります。
(2)バックライトを調光する設定
ジャンパJ3
バックライトの明るさを制御するには、左の写真のようにJ3の1-2をオープンにしてPWM制御を選択し、J3の3-4をショートにして20mAを選択します。20mAというのはLCDパネルATM0430D5のバックライトに必要な電流です。
バックライトの明るさは、J5のLED_CTRLピンに入力されたPWM信号でLEDドライバTPS61161Aを制御することで行われます。ちなみに、入力可能なPWM信号の周波数は5KHz~100KHzで、デューティ比が小さいほど暗くなります。
(3)フラッシュメモリを使用する設定
ジャンパJ1
左の写真のようにJ1の1-2をショートして、シリアルフラッシュメモリの電源をVDDIOから供給するように選択します。
LCDC評価ボードに実装されているフラッシュメモリM25P16は、SPIインタフェースの16Mbit(2MB)のものです。このフラッシュメモリは基板に載っているだけで、LCDコントローラとは独立しています。
4-3.VRAMマップ

表示は『フルカラー(16,777,216色)』,『横480×縦272ピクセル』のモードで行います。従って、1ピクセルは24ビット(3バイト)です。
LCDコントローラは、マイコンの外部アドレス空間のエリア5に配置するので、VRAM(表示メモリ)アドレスは下図のように0x3000000からになります。
VRAMマップ
4-4.RGBデータフォーマット

LCDコントローラは「ダイレクト16ビットモード1」で接続しているため、データバス上のRGBデータのアドレス配置は下図のようになります。アドレス順はBlue→Green→Redですが、同じ色でも偶数・奇数のアドレスが交互に並ぶことになります。
従って、バス幅を生かした16ビットまたは32ビットごとのアクセスができないため、16ビットバスで接続するメリットはあまりないようです。
RGBデータの配置図

4-5.LCDコントローラの初期化

LCDパネルATM0430D5を使用するには、下記の設定を行います。
各レジスタの機能および設定値の意味については、S1D13781のテクニカルマニュアルを参照してください。

注意1:表中のレジスタアドレスは、0x3060800からの相対値です。
注意2:本LCDユニットでは2レイヤーモードおよびLUT機能は使用していません。
順序 レジスタ
アドレス
レジスタ名称 設定値(意味)
1 0x06 SoftwareResetRegister 0x0100
2 0x04 PowerSaveRegister 0x0000(MCLK_PCLKdisable)
3 0x10 PLLSettingRegister0 0x0000
4 0x12 PLLSettingRegister1 0x000F(16)
5 0x14 PLLSettingRegister2 0x0029(42)
6 0x10 PLLSettingRegister0 0x0001
7 0x16 InternalClockConfigurationRegister 0x0006(1/7)
8 0x20 PanelSettingRegister 0x004F(TFT24bit)
9 0x04 PowerSaveRegister 0x0002(MCLK_PCLKenable)
10 0x22 DisplaySettingRegister 0x0001(PanelI/Fenable)
11 0x24 HorizontalDisplayWidthRegister 0x003C(480)
12 0x26 HorizontalNon-DisplayPeriodRegister 0x002D(45)
13 0x28 VerticalDisplayHeightRegister 0x0110(272)
14 0x2A VerticalNon-DisplayPeriodRegister 0x0010(16)
15 0x2C HSPulseWidthRegister 0x0090
16 0x2E HSPulseStartPositionRegister 0x0010
17 0x30 VSPulseWidthRegister 0x0082
18 0x32 VSPulseStartPositionRegister 0x0011
19 0x40 MainLayerSettingRegister 0x0000
20 0x42 MainLayerStartAddressRegister0 0x0000
21 0x44 MainLayerStartAddressRegister1 0x0000
22 0x60 PIPEnableRegister 0x0000
23 0xD4 GPIOPull-DownControlRegister 0x000F

■参考資料■
(1)S1D13781 テクニカルマニュアル:セイコーエプソン(株)
(2)S5U13781R00C100 リファレンスボード ユーザーマニュアル:セイコーエプソン(株)
(3)ディスプレイコントローラ アプリケーションマニュアル(XIAMEN ZETTLER ELECTRONICS CO.,LTD LCDパネルインタフェース):セイコーエプソン(株)

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