市販されている自動給餌機を見ると、下図に示すような種類があります。どれもタイマーの設定によって、希望の時刻にエサが与えられるようになっています。
- A は上部のタンクからエサが適量出てくるタイプです。エサは主に乾燥エサ(ドライフード)で、エサの量を設定できるものもありますが、缶詰タイプにあるような湿り気のあるエサ(ウエットフード)には適しません。
- B はふたが回転移動してエサが露出するタイプです。与えられる回数が容器の数で決まってしまいますが、構造が簡単なため安価なものが多いようです。
- C はふたが順に開いてエサが露出するタイプです。これもBと同様で、容器の数で与えられる回数が決まります。
2.製作した自動給餌機
下の写真は製作した自動給餌機です。ちなみに、成猫一匹用です。
これはエサ容器(ここではトレイと呼ぶことにします)のふたを順に開ける方式の自動給餌機で、写真はすべてのトレイのふたが開いている状態です。
製作した自動給餌器(ふたを開けた状態) コントローラを引き出したところ
主な特徴は次のような点です。
- トレイは4つあるので、4回までの給餌ができます。1日2回の給餌なら、2日は使えます。
- 乾燥エサ(ドライフード)のほか、ウエットフードも入れられますが、密閉性はよくありませんし保冷剤も入れられません。
- トレイのふたは設定した日時に順に開くので、猫はふたが開いたトレイのエサを食べることができます。
- マイコンを使ったコントローラで、ふたを開ける日時を設定します。また、実際に開いた日時を記録することもできます(こじ開けられる場合もあるため)。
コントローラには、ルネサスエレクトロニクスのタイニーマイコン「H8/3694F」を使っています。詳細は後ほど説明します。
3.使い方
下の写真は、コントローラの液晶表示と操作キーの部分です。電源スイッチはないので、ACアダプターを電源コンセントに差し込むと起動し、このように現在日時を表示します。
操作キーは6つあり、それぞれの名称と機能は下の表のようになっています。赤LEDの点灯はタイマー動作中であることを示し、点灯中は設定変更ができないようになっています。
電源をONしたとき、前回電源OFFするまでタイマー動作中だった場合はそのままタイマー動作を続けます。タイマー動作中でなかった場合は、カムシャフトを1回転しホームポジションにセットします。従って、このときはすべてのトレイのふたが開放になります。
トレイは1番※から順に開くので、エサは1番のトレイから必要な数だけ入れます。トレイは、トレイ下の金具ごと外せるので、外してエサを入れることも洗うこともできます。
エサを入れたらふたをして、ふたがフックで固定されていることを確認します。このとき、ふたが引っ掛かったり、ふたがエサで張りついたりして開かない可能性もあるので、メニューから「Open in order」を選択して、ふたが一つずつ開くことを確認します(エサがなくても4番目まで開いて確認します)。
問題なければ再度ふたを閉じて、メニューから「Schedule Setup」を選択して、それぞれのふたを開ける日時(月・日・時・分)を設定します。ここで注意ですが、後のトレイが前のトレイより早く開くように設定すると、前のトレイのふたも一緒に開いてしまうので、そのような設定はしないようにします。なお、ふたを開ける日時の設定ははじめに行っておいてもかまいません。
タイマー動作中にトレイのふたが開くとその日時が記録されます。開いた日時は、メニューから「Open DateTime」を選択して確認できます。この日時は必ずしも「Schedule Setup」で設定した日時とは限りません。もし設定と違う場合は、ふたが何かの理由で開かなかった、あるいはこじ開けられた可能性があることなどがわかります。
言うまでもありませんが、この自動給餌機は屋内用です。もし屋外において雨に当たると、エサが濡れてしまったり、コントローラが壊れたりする恐れがあります。
※トレイ側から見て、左から1番,2番,3番,4番となっています。
- 参考:
- トレイが4つというのは、1日2回与えるとすると最大2泊3日の間給餌することができます。1日2回では6つのトレイが必要だと思われるでしょうが、1日目の1食目と3日目の2食目は人手で与えることにすれば可能になります。これで、2泊3日までの旅行でしたらペットを家において行けるのではないでしょうか。