反射器の回転には、下の写真(左)に示すタミヤ製の「ミニモーター多段ギヤボックス」という模型用のギヤボックスを使いました。
このギヤボックスは組み立て式ですが、モーターが付属しており、ギヤの選択によって12種類のギヤ比が選べます。今回使用したギヤ比は20.4:1(308rpm)です。
使用したタミヤのギヤボックス 製作した駆動部
写真(右)は、製作した駆動部です。ベースにしているのは、t2.0の黒色アクリル板です。
ギヤボックスの出力は1本のシャフト(φ3六角シャフト)が回転するだけなので、写真のように2組のギヤとシャフトを追加して、並行する2軸が回転するようにします。
追加するギヤは、歯数18のピニオンギヤと歯数30のクラウンギヤです。クランギヤはφ3×25mmの真ちゅう製シャフトに取り付け、このシャフトが最終的に出力となります。
この駆動部の組立図を下記に示します。
・駆動部の組立図
6.反射器とLEDホルダーの製作
下の図は、LEDの光を放射状に反射させ、キラキラの元になる4方向の光の筋を作る反射板です。
この反射器は、φ6のアクリル棒の先端を四角錐状に削って作ります。そして、削った4面にアルミテープを貼って反射器とします。反射器は、六角錐とか八角錐の方が良いかもしれませんが、削り出し作業が難しいので四角推としました。
図にあるように、底部にφ3×深さ2mmの穴をあけ、出力シャフトに接着剤で取り付けます。ただ、長さ7mmの状態で正確に穴をあけるのは難しいので、長さ15mmくらいのアクリル棒にあらかじめφ3の穴をあけてから先端を削り、最後に7mmに切断します。
下記に、LEDを取り付ける部分(ここではホルダーと呼ぶことにします)と反射器の組立図を示します。
ホルダーは、100円ショップで売られていたφ10×45mm(先端に行くほど少し細くなっています)の鉛筆キャップを、元から長さ16mmに切って作りました。鉛筆キャップは4色ありましたが、LEDと同じ青色を使いました。
t1.2の白色プラバン※で作った外形φ8穴径φ3の平ワッシャ状の部品を鉛筆キャップ内に接着し、そのφ3の穴にLEDを接着して取り付けます。なお、鉛筆キャップには、あらかじめリード線を通すための切り込みを入れておきます。
鉛筆キャップ内でLEDに細いリード線をハンダ付けして引き出し、接続部分に熱収縮チューブをかぶせます。その上部には、t1.2の白色プラバンにアルミテープを貼って作った、φ11の円盤状キャップを接着します。
できあがったホルダーは、ケース前面の“だるま穴”に接着します。
※プラバンとはスチロール樹脂製の板のことで、模型材料店で入手できます。
7.ケースの加工
ケースには、100円ショップで売られていた155×101×54mmのスチロール樹脂製の箱(フタなし)を使用しました。下記にケースの加工寸法図を示します。
図のように、本来は底である面を前面として使用します。このケースは透明のため、前面(元の底面)をつや消し白に、その他を黒に、いずれも水性塗料で塗ります。前面をつや消し白にしたのは、LEDの光をこの面にきれいに映すためです。
・ケースの加工寸法図
下記は裏ぶたの寸法図です。このケースにはフタがないので、t2.0の黒色アクリル板を使って裏ぶたを作りました。
・裏面パネルの加工寸法図
8.組み立て
駆動部の組立は先に説明したとおりです。
下図は、駆動部と制御基板をケースに取り付ける方法を示す図です。図にはありませんが、電池ホルダーはM3×10mmサラビスを使い外側からナットで固定します。
駆動部は白色のケース前面からM3×10mmサラビスで取り付けるので、そのサラビスの頭を白く塗装しておきます。白く塗装するとはいえ、前面にビスが出てしまい美しくありませんが、今回はこれで妥協しました。
次の写真は、すべて組み込んだケース内の状態です(配線も済んでいます)。
組み立てたケース内部 操作スイッチの様子
写真で見えるように、LEDからのリード線は細いので、若干太い電線に変換して制御基板のコネクタに接続しています。またその電線は、ギヤにかまれないように配線クランプで固定しています。
ケース側面のスイッチ部分は、写真(右)のようにインスタントレタリングによって文字入れして、さらにフィルムで保護しています。
写真では見えませんが、裏ぶたをM3×6mm黒バインドビス4本で取り付け、底面にφ10×7mm程度のプラスチック脚を貼り付けて完成です。
9.問題点・反省点
- LEDの光を四角錐の反射器で反射させても、希望通りの光にはなっていません。どのような形状が良いのか、もう少し検討が必要です。
- ギヤボックスの作動音が大きく、キラキラというイメージを悪くしているといえます。ギヤではなく、プーリーを使ったベルト駆動ならよかったかもしれません。
- LEDホルダの部分に配線が通るので、配線が影になり光が途切れて見えます。LEDの向きを現状の逆にしてケース側に付けられれば良かったのですが、構造が複雑になり製作は容易ではないでしょう。
- 駆動部の製作にかなり手数がかかりますが、それに見合った効果をあまり感じられません。大げさな割には、つまらない装置と言えるかもしれません。